人生は、ある意味で、常に「行き詰まり」との戦いです。生きる限り、また、戦う限り、必ず困難の壁が立ちはだかるのは当然です。順風ばかりで「行き詰まり」がないのは、むしろ停滞の証しです。
一足飛びに「大現実」へと飛躍するのではなく、身近な「一小地」という具体的世界に足を踏まえ、そこに徹し、こだわり抜くことによって「大現象」へと自在に連想をめぐらせてゆく。こうした瑞々しい想像力というか生活感覚、生命感覚の人にとって、近しい人はもとよりのこと、見ず知らずの異国の住人であっても、否、風土産物さえもが、親密な「隣人」としてあるにちがいない。